中小・ベンチャー企業のためのファイナンス⼊⾨(3)
こんにちは。
Revd Advisory(レヴアドバイザリー)株式会社 代表の湯田平です。
今回も前回に続いて、中小・ベンチャー企業のためのファイナンスについて解説したいと思います。
前回、前々回の記事をご覧になっていない方はこちらからどうぞ。
上記の2つの記事で、
- 外部から現金を集める方法(クラウドファンディング、補助金/助成金)
- 資産を現金化する方法(アセットファイナンス)
について触れました。
この2つの記事の共通点、お分かりになりますか?
それは、この2つは貸借対照表の左側、資産の部の資金調達方法という点です。
今回は貸借対照表の右側、負債と資本での資金調達方法について触れていきます。
◼︎融資などの負債をともなう資金調達
デットファイナンス
デットファイナンスは負債の増加を伴う資金調達で、例として以下の5つを挙げます。
・公的融資
日本政策金融公庫や新創業融資制度といった、政府系金融機関の融資や、自治体が保証し金融機関が融資する制度融資など。
・銀行融資
保証協会の保障を受けず、銀行などの金融機関が直接融資するプロパー融資など。
・社債
金融機関ではなく個人投資家から資金調達する方法です。株式と違い点は返済義務がある点、また資本ではなく負債であるという点です。
・ABL(Asset Based Lending)
会社で保有している商品在庫や売掛債権などの事業収益資産を担保とし、金融機関から資金を調達する方法です。
・ICO(Initial Coin Offering)
独自の仮想通貨を発行し、投資家に売ることで資金を調達する方法です。
◼︎出資などの資本増加をともなう資金調達
エクイティファイナンス
出資などの資本の増加を伴う資金調達です。
・第三者割当増資
特定の第三者に向けて新株を発行する資金調達方法です。取引先との関係性を安定させるなどに用いられrます。
・公募増資
不特定の対象者に向けて時価で新株を発行し資金調達方法で、時価発行増資とも呼ばれます。
・株主割当増資
新株を発行する際に、既存株主の保有株数に応じて割り当てを受ける権利を与える資金調達方法です。通常時価より低い金額で発行されます。
◼︎デットとエクイティの中間に位置する資金調達
メザニンファイナンス
貸借対照表の負債の部と資本の部の中間に位置する資金調達方法です。
・劣後ローン
金融機関からの資金調達ですが、倒産した際などに債権回収の順番が他の融資と比べ劣後されるためこの呼び方となっております。
金融機関からするとリスクが高くなる反面、金利も高くなるというメリットもあります。
・新株予約権付融資
金融機関に対し新株予約権を与え、無担保で資金調達する方法です。
新株予約権とは一定期間の後に発行時に決めた価格で株式を購入できる権利です。
全3回にわたり資金調達方法を解説してまいりました。
前回の繰り返しになりますが、資⾦調達がゴールではありません。
むしろこれから事業を回すスタート位置です。
今後もスタートアップ・中小企業向けの記事を更新していきますので宜しくお願い致します!