上場の意義(2/3)
こんにちは。
Revd Advisory(レヴアドバイザリー)株式会社 代表の湯田平です。
前回上場について基本的な概要と条件についてお話ししました。
今回は上場のメリットについて触れていきます。
上場のメリット
1)資金調達
上場の最大のメリットはやはり資金調達です。
証券取引所で自社株を公開することにより、全国各地の投資家から株式を買っていただけるようになり大きな資金を調達できます。
銀行はこれまでの実績値、つまり信用で融資しますが、投資家は企業がこれからどれだけ成長するかで出資します。
融資は借りたお金なので利子を含み全額返さないといけませんが、出資の場合は売り上げに応じての配当となるので、不況で売上が落ち込んだ場合などは配当も少なく、リスクが少ないと言えます。
2)知名度や信用度の向上
前回かるくお伝えしましたが、上場するには条件をクリアし厳しい審査に残る必要があり、上場にふさわしくない企業は漏れなくふるい落とされてしまいます。
つまり上場できるということは、極めて厳しい審査を経て選ばれた優秀な会社であると判を押されたということになり、取引企業や社会からの信用度やグンと上がります。
3)優秀な人材の確保
採用において求職者が企業を見る際、多くの視点があると思いますが、上場しているかしていないかは大きな基準のひとつです。
「上場している=資本がしっかりしており、すぐに倒産する可能性が極めて低い」と多くの方が考えるからです。
また上場企業に勤めているか否かで、その人物の箔のつき方も違います。
昨今は採用活動が難しくなってきていますので、資金調達や知名度よりも採用が目当てで上場を考える企業も出てきています。
4)社内ガバナンスの強化
上場を維持するために、会社の意思決定には決められた手順を踏み多くのチェックが入ることとなります。
また情報開示の義務が発生するため、勝手に会社のお金を使ったり、ゆるい判断で事業を進めたりということが発生しにくくなり社内の管理体制が強化されます。
5)創業者利益とストックオプション
上場するとその会社の株式の価値が格段に向上します。
そのため株式を保有している創業者の資産は、上場前に比べて大きく跳ね上がるでしょう。
また創業者の利益だけではなく、従業員においてはストックオプション(従業員が自社株を決められた価格で取得できる権利)があります。
上場後にストックオプションの権利を行使することで、事前に決められた株式価格とストックオプション行使時の株式価格の利益差額を得ることができます。
会社の価値を高め、資金を調達するためには上場が効果的な手段のひとつです。
しかし上場のハードルは非常に高く、またデメリットもあります。
そのため有名企業でもあえて上場しないと言う選択肢を選んだ会社もいくつか。
次回はその上場のデメリットについて見ていきましょう。
それでは今日はこの辺りで。