割賦購入の会計・税務処理
こんにちは。
Revd Advisory(レヴアドバイザリー)株式会社 代表の湯田平です。
9月に入って気温がなかなか安定しませんね。。
季節の変わり目は体調崩しやすいので、皆様ご自愛ください。
さて本日はリースではなく割賦について見ていこうと思います。
そもそも割賦とは
固定資産を購入する際、一括で購入せずローンで購入し、分割して支払う販売方式を指します。
割賦の会計処理
本体購入費用の取り扱い
リースと違い割賦はあくまでも購入になります。
ですので割賦で購入した場合でも「現金一括払い」と違いはないため、本体購入分は固定資産で計上します。
割賦手数料の取り扱い
割賦購入する場合は手数料も支払わなければならなく、そのため一般的には現金一括払いよりも多くの費用がかかります。
この手数料は会計処理上では2つの処理が認められております。
(1)本体購入価格に含める(原則法)
(2)支払利息として期間按分する(例外)
基本的には(1)の購入価格に含め処理することが一般的ですが、本体価格と利息が明確に区分されている場合は(2)の方法で処理することも可能です。
(1)が一般的なのは、割賦購入に際して利息分が明確に区分されていることが少ないためです。
業者からしてみればこの利息分は儲けになりますので、あまり明確に出したくない部分なのです。
消費税の取り扱い
割賦手数料は利息としての性質があるため非課税になります。
具体例
ひろし君は会社で使う車両を以下の条件で割賦購入しました。
- 期首に新車で購入(耐用年数6年、定率法で償却率は0.333)
- 本体価格は400万円(消費税10%)
- 割賦手数料は60万円
- ローン期間は5年
この場合、原則法と例外的な処理、それぞれでの会計処理を見ていきましょう。
原則法
取得時の会計処理
車両運搬具には460万円が入っておりますが、これは
車両本体価格400万円(課税対象)+割賦手数料60万円(非課税)
の合計値です。
ですので仮払消費税は課税対象である「車両本体価格400万円」の10%の40万円が入ります。
決算時の会計処理
460万円 × 償却率0.333 = 153.18万円
原則法は車両購入費用に手数料も含んで処理しますので、考え方はシンプルです。
例外的な処理
取得時の会計処理
割賦手数料は長期前払費用として処理します。
決算時の会計処理
減価償却費:400万円 × 償却率0.333 = 133.2万円
支払利息:60万円 ÷ 5年 = 12万円
例外処理では初年度の費用は145.2万円(133.2万円+12万円)となります。
原則法と例外的な処理はどちらが良いか
原則法では初年度の費用は153.18万円でしたが、例外的な処理では145.2万円と金額が異なりました。
さて、ではひろし君はどちらの会計処理を行ったほうが得するでしょうか?
・・・はい、考えなくてもわかる問題でしたね。
どちらの処理でも割賦期間の支払総額は同じなので、トータルで見ればどちらでも一緒になります。
前述しておりますが、実務上は利息分が明確に区分されていることが少ないため、原則法での処理が多くなるかと思います。
以上となります。
割賦についてさらに詳しく知りたいという方は、担当の税理士先生にお伺いしてみてください。
次回はこれまで学んできたリースと割賦を見ていきましょう。