Revd Advisory株式会社の代表ブログ

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<地銀再編>資金交付制度とは

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こんにちは。

 

Revd Advisory(レヴアドバイザリー)株式会社 代表の湯田平です。

 

前回の記事でも取り上げましたが、政府による地銀再編の動きが加速しております。

 

2021年夏創設を目処とし、地銀再編を促す新たな補助金を政府が発表いたしました。

 

今回はそちらについて解説してまいります。

 

 

 

今回発表された補助金、その名も

 

資金交付制度

 

と呼ばれるものです。

 

 

 

資金交付制度の内容とその補助額は?

地銀や信金合併・経営統合を行う際にかかるシステム統合などの費用を国が一部負担するという制度になります。

 

またその補助額は統合一件あたり最大30億円規模となるようです。

 

 

 

資金交付制度の背景は?

現在地銀をはじめとする地方金融機関は、企業数の減少や低金利、今回の新型コロナウイルスによる影響で先行きが非常に不透明になってきています。

 

菅総理が発言した「地銀の数が多すぎる」という点から、地銀の数を合併・統合によって縮小させ、地銀の経営基盤を強化したいという意図が読み取れます。

 

 

 

地銀の経営統合による、企業へのメリットは?

地銀が統合することによって、その地域の企業にもいくつかのメリットがあると考えられます。

 

1)ビジネスマッチング

事業承継やM&Aといったこれまでも金融機関が介していたビジネスにおいて、ネットワークが広がることにより進展が見られる可能性があります。

 

2)融資枠の拡大

合併・統合によって経営基盤の強化をはかることができれば、今後積極的に融資を行っていくのではないでしょうか。

 

3)競争力の向上

これまで競争力が弱かった地銀同士が合併・統合することによりに、有力地銀に対抗できる体力がつき、競争力の向上が期待できます。

 

 

逆にデメリットは?

合併・統合する地銀によっては独占状態となり、逆に競争力が働かなくなる点です。

 

通常であれば独占禁止法に基づき、合併・統合により市場占有率過半数を超える場合は合併・統合自体ができないはず。

 

しかし今年5月に「地銀同士の合併・統合は独占禁止法の適用外」となる特例法が可決され、今月から施行されます。これにより地銀は独占状態になる場合でも合併・統合が可能となります。

 

ただしこの特例法によって利用者保護の規定も同時に生まれ、基盤的サービスの価格上昇など利用者にとって不利益だと判断された場合、内閣総理大臣は不利益を防止するための方策を求めることができます。

 

ですので一応は「デメリットの可能性は排他しますよ」といっているのですが、いかんせん今月施行ですので、具体的にどのような問題を孕んでいるかはこれから、、といったところでしょうか。

 

 

 

 

先日の日銀による地域金融機関向けの特別制度からわずか数日で国による新たな支援策が発表されるなど、地銀に対する動きが活発化してきているように感じられます。

 

体力の少ない地銀同士が合併することによりこの瀕死状態から抜け出す活路となるといいのですが。。

 

また何か動きがあればレポートいたします。

 

それではまた。

 

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