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約束手形の廃止。そもそも手形って?

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こんにちは。

 

Revd Advisory(レヴアドバイザリー)株式会社 代表の湯田平です。

 

昨日ニュースで、約束手形について政府が2026年までに利用廃止を目指す方針となったと報じられました。

www.nikkei.com

 

昨今では一時期に比べてほとんど見なくなった手形ですが、ついにその役目を終えて廃止されるのですね。

 

今回は過去の遺産となる、約束手形というものがなんだったのか知っておきましょう。

 

 


約束手形の役割

振出人(支払人)が所定の期日までに、所定の金額を支払うことを約束する証書が約束手形です。

 

似たようなものに小切手がありますが、小切手との違いは約束手形を発行する際に、振出人の手元に現金がなくても取引可能という点。

 

小切手を振り出す際にはその時点で、金額以上のお金を口座に入れておく必要がありますが、約束手形は所定の期日までにお金を準備すればいいという特徴があります。

 

約束手形の期日は業界によってばらつきがありますが、繊維業は90日以内、他の業種は120日以内と規定されています。

(昨年秋頃にこの期限を60日に短縮する方針になったと報道がありましたが、、わずか数ヶ月で廃止方針に転換されたんでしょうか)

 

万が一所定の期日までにお金を用意できない場合、金融機関が振出人の口座から強制的に現金を回収しますので、「お金を用意できない=事実上の倒産状態」という状況になります。

 

 

 

約束手形のメリットとデメリット

メリット

先にも書いた通り、振出人の手元に現金が無い場合でも発行可能なので、すぐにサービスを受ける必要があるが、現金が用意できない場合でもサービスを受けることができる点です。


デメリット

約束手形を受け取る側としては、サービスを提供しているのに期日まで現金が手元に入ってきません。

 

下請け企業などにとっては振出人より立場が弱いという状況に陥りやすいので、資金繰りの悪化を招き最悪の場合は倒産という状況に追い込まれる危険性もあります。

 

 

 

なぜ廃止に?

ひとつは、やはり先に書いたデメリットによる下請け企業の資金繰り悪化の懸念。

 

もうひとつは、そもそも手形取引が利用されなくなってきている点です。

 

手形取引の交換高は令和2年で134兆円。

 

莫大な金額感でぱっと想像はつきにくいですが、ピークだった平成2年と比較すると97%も減少しているようです。

 

これからは政府が旗手を振り、インターネットを活用した振り込みなどに移行を促していくとのことです。

 

 

 

 

約束手形廃止により下請け企業の資金繰り改善を考えているようですが、そう単純に物事が運べばいいのですが。。

 

「代金は120日後に支払います」などといったことが横行しそうでこわいですね。

 

約束手形廃止により資金繰りが悪化しそうな経営者の皆様。

 

まだ5年も先と考えるより、もう5年しかないと考え、財務戦略に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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