資金繰り表と損益計算書の違い
こんにちは。
Revd Advisory(レヴアドバイザリー)株式会社 代表の湯田平です。
以前の投稿で資金繰り表作成の重要性を書かせて頂きましたが、
皆さま、そもそも ”資金繰り表” と ”損益計算書” の違いを理解されていますでしょうか?
前回の事例では飲食店1店舗経営の資金繰りをご紹介しました。
■前回記事を振り返りたい方はこちら:資金繰り表作成の重要性
それでは、もう一度同じ事例で今度は損益計算書を表記してみます
・飲食店1店舗
・決算は7月
・5〜7月の数値
※資金繰り表では7月に預金残高がマイナスとなりましたね
■5月
・売上 100万円
・仕入 30万円
・人件費 30万円
・地代家賃 10万円
・水光熱費 2万円
・他諸経費 5万円
・支払利息 2万円
・元金返済 30万円
・4月末の預金残高 50万円
→損益計算書にすると
売上高 100万円
原価(仕入) 30万円
売上総利益(粗利) 70万円
人件費 30万円
地代家賃 10万円
水光熱費 2万円
他諸経費 5万円
販管費計 47万円
営業利益 23万円
支払利息 2万円
経常利益 21万円
■6月
・売上 70万円
・仕入 21万円
・人件費 30万円
・地代家賃 10万円
・水光熱費 2万円
・他諸経費 5万円
・支払利息 2万円
・元金返済 30万円
・5月末の預金残高 41万円
→損益計算書にすると
売上高 70万円
原価(仕入) 21万円
売上総利益(粗利) 49万円
人件費 30万円
地代家賃 10万円
水光熱費 2万円
他諸経費 5万円
販管費計 47万円
営業利益 2万円
支払利息 2万円
経常利益 0円
■7月
・売上 80万円
・仕入 24万円
・人件費 30万円
・地代家賃 10万円
・水光熱費 2万円
・他諸経費 5万円
・支払利息 2万円
・元金返済 30万円
・6月末の預金残高 11万円
→損益計算書にすると
売上高 80万円
原価(仕入) 24万円
売上総利益(粗利) 56万円
人件費 30万円
地代家賃 10万円
水光熱費 2万円
他諸経費 5万円
販管費計 47万円
営業利益 9万円
支払利息 2万円
経常利益 7万円
ここまでくればお気づきかもしれませんが、各月の元金返済と前月末の預金残高は
損益計算書には影響しません。
元金返済、前月末預金残高はともに貸借対照表(B/S)、バランスシートと言われるものに反映されますがここでは割愛します。
■それでは、各科目を解説
売上高 → 当月の売上
人件費 → 当月支払った人件費
地代家賃 → 当月の地代家賃
水光熱費 → 当月の水光熱
他諸経費 → 例えば備品など
販管費計 → 人件費+地代家賃+水光熱費+他諸経費
支払利息 → 借入に対して当月支払う利息
経常利益 → 営業利益-支払利息
厳密には
5月は黒字、6月はとんとん、7月は黒字でした。
ではでは改めて
■損益計算書とは?
その企業における1年間の収益性・成長性などの経営成績を示すもの。財務三表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書)のうちの1つに位置づけられ、収益性・成長性を示します。
- 収益:いくらぐらいの収益が上がったか
- 費用:得た収益のうち、使った費用はいくらか
- 純利益:収益から費用を差し引いた金額
そして
営業利益とは本業で稼いだ利益
経常利益とは本業以外での収益(営業外収益)と費用(営業外費用)を差し引いた利益
となります。
では、資金繰り表も今一度振り返りましょう
■資金繰り表とは?
資金繰りをコントロールするためのツールです。
資金繰り表の原理は、
繰越残 + 入金 - 出金 = 資金残高
つまり、会社の資金余裕額がいくらになるかを管理するものです。
※今回の損益計算書では理解して頂きやすいように、発生主義や現金主義などは一旦考えずに事例を示しています。
※財務三表とは
貸借対照表とキャッシュフロー計算書についてはまた別の日にあげたいと思います。
いかがでしょうか。ご理解いただけましたでしょうか。
まずはこの記事を読むことで、言葉に触れて慣れることが大事です。
何度も触れて使うことで、この構造を理解し普段の仕事に生かせるようになります。
それでは、今日はこのへんで。
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